なぜ「順位は上がっているのに成果が出ない」のか
AI Overviewsのような機能が検索結果の最上部を占めるようになったことで、「検索順位1位」であることの価値そのものが変わってしまった。ユーザーがAIの回答だけで満足し、そもそもリンクをクリックしないケースが増えているためだ。
つまり、順位という指標は依然として「評価されているかどうか」の目安にはなるが、「成果に直結しているかどうか」を示す指標としては、以前ほど機能しなくなっている。
COODが提案する、新しいKPIの見取り図
① AI言及率(Share of AI Voice)
主要な検索・対話AIに、業種や商品カテゴリに関する質問を定期的に投げかけ、自社が言及される頻度を定点観測する指標。完全な自動計測は難しいが、「AIにどう語られているか」を可視化する第一歩になる。
② 指名検索数の推移
AIの回答でブランドを知ったユーザーが、後日あらためて「ブランド名」で検索する行動は、AI経由の間接的な成果として現れやすい。Google Search Consoleなどで、指名検索キーワードの検索数推移を追う。
③ 直接流入・ダイレクトアクセスの変化
AIの回答内でURLを直接コピーしてアクセスするなど、リンククリックを介さない流入経路も存在する。直接流入の増減も、AI経由の間接的な影響を推測する材料になり得る。
④ 問い合わせ・商談の「きっかけ」ヒアリング
営業や問い合わせ対応の現場で、「どこでうちを知りましたか」という一言をヒアリングに加える。地道だが、「AIに教えてもらいました」という声を拾えるかどうかが、定量指標を補う重要な定性データになる。
柱と柱の間の、目に見えない空間にこそ、支える力が宿っている。
「見えなさ」を受け入れる組織文化
新しいKPIの多くは、従来の指標のように明確な因果関係を示せるものではない。不確実性を受け入れた上で、複数の間接指標を組み合わせて判断するという姿勢の転換が、経営層・現場双方に求められている。
- AI検索の普及で、検索順位は「成果」を示す指標として機能しにくくなった
- AI言及率、指名検索数、直接流入の変化が新しい間接指標の候補になる
- 問い合わせ現場での「きっかけ」ヒアリングが、定量指標を補う定性データになる
- 単一の指標ではなく、複数の間接指標を組み合わせて判断する姿勢が必要
「見えない成果を、見ないふりをするのではなく、見えないなりに言語化する。それが、これからのマーケティングに求められる姿勢です」 COOD コンサルティング部
結論——測れないものを、測ろうとする努力
検索順位が無意味になったわけではない。しかし、それだけを見ていては、AI時代の本当の成果を見誤る。見えにくい指標に向き合い、複数の手がかりから全体像を組み立てる姿勢こそが、これからの検索マーケティングにおける競争力の差になっていく。

